Salesforce導入で、チーム全体のトップライン向上を目指す

業務プロセスの可視化とナレッジ共有で属人化を脱却

GMOメディア株式会社は、インターネットのメディア事業やソリューション事業を行う、GMOインターネットグループの企業です。

今回は、GMOメディアがどのような課題を抱え、どのようなアクションを取ったのか、GMOメディア社の取締役 兼 広告メディア事業本部 本部長 夏目氏、広告メディア事業本部 メディア事業部 部長の宮田氏、同じくメディア事業部の成毛氏にお話しを伺いました。

導入ツール

  • セールスフォース
  • Notion
  • Slack
  • amptalk
  • Google Workspace
  • x-point-cloud

Before

  • 顧客情報がスプレッドシートの複数シートに分散しており、一元管理されていない。
  • 商談の背景やコミュニケーション結果は記録されているが、ナレッジとして蓄積されていない。
  • スプレッドシートを用いた手作業が多く、ヒューマンエラーが発生しやすい。

After

  • 業務を全面的に棚卸しをし、ブラックボックス化されていた部分を社内共通認識として形成。
  • 業務が可視化され、改善ポイントの洗い出し及び、属人化による弊害を回避できる仕組みを構築。
  • Salesforceを用いて、顧客管理から商談プロセスにおける管理、請求書の自動生成・送付までの機能を統合したシステム設計が完成。

効率的な営業活動、チームの生産性向上を目指す

広告メディア事業本部での業務やミッションについてお聞かせください。

夏目氏

2010年から約14年ほどインターネット上のポイントを活用した、いわゆるポイ活サイトの「ポイントタウン byGMO」を担当しております。現在は「ポイントタウン byGMO」のノウハウを、外部のお客様向けにソリューション事業として展開している「GMOリピータス」を中心とした広告メディア事業を担当させていただいております。

宮田氏

私は、2016年に始まったポイントCRMのソリューション事業「GMOリピータス」の事業責任者をしています。
GMOリピータスは「ポイントを利活用してユーザーとの接点を増やすこと」を目的としたCRMツールで、GMOリピータスを通じて「よりたくさんの方にポイントを貯めてもらう」「成功体験をしてもらう」ということを増やしていくのが事業としてのミッションです。

宮田氏、夏目氏

ミッション実現のため、今、目指されていることをお聞かせください。

宮田氏

会社としては当然、トップラインを上げていきたいという中で、既存の改善・成長だけではなく、新しいアプローチで勝負をしていく必要があると考えています。
具体的には、個々人に頼るのではなく、ナレッジを共有し、全員のスキルレベルを引き上げることによって、組織全体として勝ち取っていく戦略です。
それを実現していくためには、今の情報管理や業務フローでは難しいところもあると感じていて、まずはそこを整えて効率的な営業活動を行い、チームとしての生産性を上げていくことを検討していました。

営業活動や商談が属人化
「未来への投資」としてフライクへの依頼を決意!

当時の課題について具体的にお聞きかせください。

宮田氏

当初は私一人で回していたのですが、チームの人数が徐々に増えていき、一人二人と拡大していく中で、担当者のスキルによって提案のボリューム、管理の質、スピードなどに差が出てきました。そこをしっかり一元管理し、必要な情報を吸い上げながらチームメンバーの成長にもつなげられるような管理・マネジメントを考えていました。

また、チーム内で各メンバーが担当する業務や保持する情報が分散しており、作業が完全に属人化してしまって非効率になっている点、情報管理を複数のスプレッドシートで行っていたため、数字や問い合わせ内容の転記が多く、ヒューマンエラーが発生しやすい状況にありました。

どのようにフライクを知り相談したのでしょうか?

宮田氏

一番最初にフライクさんを知ったきっかけは、amptalk株式会社様からのご紹介でした。
他の課題解決に向けてamptalkご担当者さまとやり取りをさせていただいていたのですが、amptalk社における業務設計や業務の改善、効率化のお話をされていて、その内容にすごく引き込まれたんです。そこで、フライクさんとお取り組みをされていたことをお聞きし、大瀧さんをご紹介いただきました。

当初フライクとしてGMOメディアの現状を把握し、どのような課題感を感じていたのでしょうか?

フライク

業務の属人化が最大の課題であると感じました。ヒアリングでは、「特定の人が担当している業務について、他の人は知らない」という点が明らかになりました。また、手動での直接入力や目視でのチェックなど、業務の自動化が十分に進んでいないため、多くの作業が人の手に依存している状態がありました。

フライクに支援を依頼した決め手をお聞かせください。

宮田氏

2025年に向けてもっとお客様の数を増やしていきたいと思っていますが、今のやり方では、目標とする提供件数が積み重なると、私の中で絶対に回せなくなってしまう未来が見えていました。
一人で営業へ行っても、バッターボックスに立てる数というのが限られてしまうので、そういうところをどんどんチームへ渡していきたいなと思っていて、この段階で業務やシステム設計をしっかり整え、まだ増えるであろう未来に対しての投資をしたいなと思いました。

夏目氏

宮田のやり方や管理の仕方、個性のようないわゆる「宮田イズム」もあって、今の属人化している業務をそのまま引き継ぐとなると、Googleスプレッドシートが増え続け、管理が複雑化する懸念があります。このような課題を解決して業務を効率化したい、ということでフライクさんへお願いしようという流れでした。

宮田氏

抱えている課題をSalesforceで解決できそうだとイメージができましたし、私自身、自動化やシステム化に関心が高かったこともあり、他のツールと連携して、問い合わせが来たらここに自動で通知がきて…というのが面白そうだなと思い、依頼させていただくことになりました。

業務を棚卸し、理想的な業務設計を構築
ナレッジをチームに循環・そして定着化を目指す

「業務設計のプロセス」について、進めていく上での成果や変化が出ていればお聞かせください。

宮田氏

棚卸しの過程で、「非効率的なところがあったな」とか「貯めてきたノウハウを全く開示できていなかったな」という気づきがありました。
なので、その開示すべき情報というのを資料にし、ナレッジとしてチームに公開できる形を作っているところです。

今後は、メンバーがこの資料を見に行くというところまでを、しっかりと定着化させていきたいです。

現状の課題感まとめ

「業務設計のプロセス」について、フライクとしてはどのようなことを意識し、取り組んでいますか?

フライク

まずは「私が新入社員だと思って業務を教えてください」とお願いをしました。
プロジェクトを進めていく中で、他社はこうしているといった事例や、アイディアを積極的に提供させていただき「それいいね!」となったものを掛け算にして、より良いものを作っていく、ということを意識して取り組んでおります。

「今」必要としている以上の、「数年後」を見据えたシステム設計へ

「システム設計」について、進めていく上での成果や変化が出ていればお聞かせください。

宮田氏

私たちが今、必要としている以上の、エンタープライズな素晴らしいものが出来上がってきたなと感じています。

実は、Salesforceへ開発までをお任せするにあたり、社長に決裁をとりに行ったところ「開発費用こんなにかかるの?」と言われたんです。
現状で必要以上にリッチな装備を有していることは確かですが、それは理想的な業務プロセスを追求した結果です。この理想を実現するために、Salesforceで何を叶えるか、何を管理していくか、どんなデータを保存するかなどといった内容を約10回の打ち合わせを通じて詳細に定義していきました。その過程でしっかり課題をヒアリングしてくださって、うちのプロダクトを一緒に営業できるんじゃないかと思うくらい、中身を理解した上でご提案いただけていたので、最終的には「やっぱりこれがあってよかったね!」となると、確信していました。

夏目氏

最終的な意思決定の判断基準は、例えば自分自身では充分に鍛え上げることのできない特定の「筋肉」をつけたいとき、お金を払ってジムに行き、インストラクターをつけて教えてもらうようなイメージと一緒です。なかなか自分達だけで鍛えられないようなことを、外部の専門家に頼ろうというところが大きかったです。数年後にこの目標地点に到達したいというゴールが明確にある中で、スピード感を出しながら、効率的にそこへ向かう最短ルートを求めた結果です。

宮田氏

フライクさんとの毎回のミーティングごとに「なぜこのオペレーションを行っているのか」という問いや気づきが出てきており、それが会社として守るべきルールに基づくものなのか、単に非効率なプロセスに過ぎないのかを整理しながら、マニュアル化も進めています。

長年勤務しているメンバーが多いため、他社の環境やノウハウを知る機会が乏しく、フライクさんからいただける外からの意見というのはすごく新鮮でした。

「システム設計」について、 フライクとしてはどのようなことを意識し、取り組んでいますか?

フライク

お客様との契約を失うことは大きな損失だと考えています。失注や解約を避けるためには、契約に至るまでのプロセスがとても重要だと思っています。

宮田さんがこれまで資料として残しているものにはたくさんの価値があるにも関わらず、それが見える化されていないというのが非常にもったいないと感じたんです。宮田さん率いる事業部の中でフライクのやり方をインストールしていただきたい、そういった気持ちで取り組んでおります。

営業・商談管理を徹底し、ヒアリング事項を型化
営業全体のボトムアップを図る

設計を終えられて、フライクとのコミュニケーション面での感想をお聞かせください。

宮田氏

別の部署でもSalesforceを導入しているのですが、そちらの進捗を聞いている限り、課題ヒアリングから始めているわけではなく、こちら側の「何か作りたいな、これはあった方がいいかな」という意見に対して「じゃあ作りますね」と進行しているようでした。

フライクさんは手厚すぎるくらい手厚いサポートで、まずは課題を理解してくださり、その課題に対する提案、最終的な着地を定めていただけるので、しっかりとキャッチボールすることができ、その点でスピード感や安心感がありました。

今後Salesforce導入を進めるにあたってどういう点が改善してくると期待していらっしゃいますか?

宮田氏

やはり大きなところでは、進捗の共有と管理ですかね。
見込み顧客に対して最後のアクションはいつなのか、受注に繋がらなかったタイミングや理由は何だったのか…など、そのあたりをきちんと管理し、次のアクションに繋げていきたいと思っています。

受注前のお客様の期待値や、受注後のお客様の情報をどんどん吸い上げ、今どこまで進んでいて、何が課題なのかを可視化し、効率的な営業活動を行っていきたいです。さらに、Salesforceを利用して得られる成果が徐々に見え始めている現段階で、このツールを社内メンバーがいかに有効活用できるかが、今後の成功に大きく関わってくると感じています。

成毛氏

私はこの組織に配属されてからまだそれほど時間が経っていませんが、アナログなオペレーションが多かったので、システムを入れることで、作業時間がこれほど短縮されることに驚いています。システム導入による業務効率化に期待ですね。

夏目氏

業務の効率化によって個々の業務がスムーズになると、視野も変わって次の課題に目を向けられるようになると思うので、そういったところにも期待をしています。

宮田氏

Salesforceを使うにあたっての不安や心配は全くないので、社長にも「社内で一番Salesforceを使い倒すんで待っていてください!」と伝えました。

GMOメディア社の今後の成長と展開について

どのような人に今回の業務設計プロジェクト・システム設計プロジェクトをおすすめできそうでしょうか?

夏目氏

ある程度業務フローが固まり、業務やアプローチがマンネリ化してしまって、変化したいけどできない、と感じている責任者の方におすすめです。また企業のトップというよりは、業務フローにまで目が行き届いている、中間管理職の方がイメージしやすいかと思います。

宮田氏

お会いした最初から、相談に乗ってくれそう、解決の手がかりをくれそうというのを感じたので、そこはフライクさんの強みなんだろうなと感じました。大瀧さんのすごいところであり、大瀧イズムを受け継いでいる皆さんの雰囲気なんだろうな、と。
ぜひ気軽にご相談されてみてはいかがでしょうか。

今後、GMOメディア社での取り組みや目指すべきところについて、フライクの考えをお聞かせください。

フライク

ようやくアウトプットできる段階にきたので、まずはダッシュボードをしっかり活用していただきたいです。
社内の打ち合わせでも「あの資料を作ってください」ではなく、「全部Salesforceのダッシュボードでやってください」と依頼してもらい、ダッシュボードを作って、すべての会議で実施するよう浸透させていっていただきたいです。

浸透させていくコツとしては、設計書を納品させていただくので、もし実際に構築したSalesforceの内容であったり、これってどういう機能なんだっけ、となった時にも、全てExcelの方にまとまっているので、そこを2つ併せて使っていただくと定着化には活用しやすいと思います。

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