こんにちは。株式会社フライクの萬矢です。
今回は「まだ間に合う!freeeを導入して「失敗した」と感じているあなたへ」というタイトルで
ブログをお届けしたいと思います。
本題に入る前に、簡単に私(萬矢)の経歴をお話から。
私は、直近のキャリアでfreee株式会社にて社員として働いておりました。
freee時代は、会計事務所・税理士事務所向けの事業部に所属し、
事務所様内部でのfreee利活用はもちろん、事務所様のエンドユーザー様のfreee利活用を促進する
「カスタマーサクセス」という役割で2年半在籍しておりました。
今はフリーランスという立場から、freeeやフライクのお手伝いしております。
このブログを見ていただいている皆さまの中には、freeeを使って「成功した!」と感じている方が
多い一方で「失敗した…」と感じている企業さまも同じくらいいるのではないでしょうか。
今回のブログを通じて、導入のヒント、あるいは軌道修正のキッカケになればと思っています。
ぜひご覧ください。
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目次
まず、今回のブログを読んでいる方の中でfreee導入前の方がいらっしゃるようでしたら、
弊社の代表である大瀧が書いたこちらのブログを先にお読みください。
結論から申し上げると、社内の業務フローの再構築と導入前の業務設計がない場合、
freeeの導入は失敗すると考えています。
ここでいう「失敗」は「当初考えていた効果を得られていない状態」のことを指しています。
次の章では、その点について詳しくご説明します。
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前章で、社内の業務フローの再構築と導入前の業務設計がない場合、freeeの導入は失敗する。
とお話しました。
freeeはよくある会計ソフトではなく、弊社代表の大瀧の言葉を借りるならば
「業務ソフト&会計連携ソフト」です。
そのため、導入する前に売掛、買掛、経費といった現行の業務フローを見直し、
「再構築」することが重要です。
ですが、それらの使い方も知った上で導入を開始したのに「思ったような効果が出ない」
と感じ、導入につまずいてしまうこともあるのではないでしょうか?
私の経験上、以下のような4つの要因が挙げられます。
これらの要因について「どのように解決すべきか?」という糸口を次の章で見つけていきましょう。
まず非常にシンプルに見えますが、意外と相談が多いこちらの要因。
一番多いと言っても過言ではありません。
「クラウド会計を導入すれば自動で処理してくれる!」
という思いでfreeeを導入される方もいらっしゃいますが、実はこれが失敗の一因になります。
手作業が減らない本当の理由として一番多いのが、現金取引が多いケースです。
「freee上での手入力は逆に非効率に繋がる」
これまで私がfreeeを扱ってきて感じていることです。
freee上での入力ではなく、いかに会計データを集約する箱としてfreeeを認識できるかが重要です。
そして連携を進めfreeeが自動で処理してくれる範囲を広げることが、
freeeを使って手入力を減らす最初のポイントになります。
そうは言っても、商売柄どうしても現金取引が減らせないというケースもあるでしょう。
そういう場合は、Excelで出納帳を作ることをオススメします。
日付と金額と摘要の3つが最低限あればfreeeに取り込むことができます。
「結局手作業か」と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、
freeeに直接打ち込むよりデータを外出しして作成したほうが効率が良いです。
詳しくはfreee社がテンプレートを用意しているので、もし気になる方は一度ご参照ください。
freee社のテンプレート(freee公式サイトより)
手作業が減らない本当の理由の2つ目は「自動登録ルールの設定を間違えている」です。
現金取引が少なく、預金口座やカードもfreeeに連携しているものの
なかなか手入力が減らないという相談を受けることもあります。
その際、最初に確認すべきポイントが「自動登録ルール」の内容です。
特に最初にチェックするのは、以下の2点です。
まず「マッチ条件」に関してですが「完全一致」以外があるかどうかで、
その企業がどれくらいルール化に精通しているかを見ております。
「完全一致」とは「全く同じ明細が入って来たときのみ処理をする」という前提なので、
1文字でも違えば反応しなくなります。
ちなみにfreeeでは半角・全角・大文字・小文字・スペースの全てを1文字としてカウントします。
ですので、そのあたりも注意が必要です。
次に「マッチ後のアクション」として「取引を登録する」を選択できているかどうかですが、
これを選択できているかどうかで意外と大きな差が生まれます。
と言いますのも、自動登録ルールを作成するとき、デフォルトで選択されているのは
「取引を推測する」です。
この「取引を推測する」が結構厄介で、これを選択していると勘定科目を推測はしてくれるものの、
一向に帳簿に反映されることはありません。
とはいえ「全てが勝手に登録されるのも怖い」という方もいらっしゃるでしょう。
その場合、できる限り金額で範囲を設けたりして一定の金額以上の明細については「取引を推測する」
というルール付けをしているケースもあります。
このように、freeeが勝手に自動的に処理してくれると勘違いしているケースもあれば、
一度登録したルールを修正しないというケースもありがちなことです。
このあたりの自動登録ルール設定については、定期的に見直すことをオススメします。
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freee会計を使い始める目的として上位に入ってくるのが、「債権債務管理」の効率化です。
従来は会計ソフトとは別に台帳などをつくって、そこで二重三重管理して…
と苦労している方々もいらっしゃるでしょう。
ですので「freee会計であればそれを一元管理できるのでは…」ということで
使い始める方も多いのではないでしょうか。
確かに、freeeであれば債権債務管理の連携がこれまで以上に楽になる場合もあります。
しかし、結果的により複雑に、ぐちゃぐちゃになってしまい管理ができない事象もあります。
詳しく見ていきましょう。
債権債務管理を進める上で、大前提になるのが
freee上にしっかりと売掛金や買掛金が「未決済」という形で登録されている
ことです。
ここでは省略しますが、もし「未決済」という言葉がまだピンと来ていない方は
freeeのヘルプページを参照してみてください。
ここの取り込み方法にはいくつかありますが、まずfreeeに連携ができる前提で話を進めます。
フライクでの債権債務管理の方法を例に上げると、
Salesforce上で登録された請求書を取引先に送る段階で自動でfreeeに登録される仕組みを構築
しております。
もしfreeeに自動で未決済取引が登録されるシステムを利用していなければ、
「Excelインポート」をオススメします。
確かにfreee上で手動で未決済取引を入力することもできるのですが、
前章の「現金取引」の部分でも触れたように、freee内で直接手入力するよりも
スムーズに登録ができるからです。
インポート履歴から各インポート内容ごとに、どういう未決済取引が登録されたのかを
細かく見られることもオススメしている理由の一つです。
次に、未決済で売掛金や買掛金などが登録されているにも関わらずうまく消込ができないケースです。
通常freee登録されている未決済取引に対して、対応する入金や出金があれば、自動で紐付けられます。
それがうまくいかず、毎回毎回手動で紐付けを行っているということであれば、
登録されている未決済の内容を疑ってみてください。
もう少し細かくご説明しますと、未決済で登録されている仕訳に
「入出金期日」や「取引先タグ」がついていない場合です。
基本的にfreeeが自動で紐付けをするロジックは、入出金期日・金額・取引先の情報がメインになります。
例えば、同日に同金額での入出金が複数存在する場合、
取引先タグがついていないことでfreeeが誤って紐付けを行なってしまうことがあります。
3つ目のあるあるケースとして、経費が二重に登録されていることがあります。
原因を探っていくと、AmazonなどのECサイトとfreeeを連携している場合が多いです。
連携そのものは誤った行為ではなく、むしろ私はオススメしています。
ただ、その際に注意しなければならないのが「口座振替」という機能です。
例えば、freeeでAmazonとクレジットカードを連携しており、
Amazon経由で事業に紐付く品物を購入したとします。
ここで注意したいのが、連携しているAmazonとクレジットカードの口座それぞれに明細が入ってくるという点です。
つまり、Amazon経由で入ってきた明細とクレジット口座に入ってきた明細。
両方とも経費として計上してしまうことで、二重計上が起きてしまいます。
その解決方法として、前述した「口座振替」という機能を使用します。
機能の詳細についてはここでは割愛しますので、freee側で用意しているヘルプページをご確認ください。
既に二重登録されてしまっていても「重複チェック」という機能を使えば
うまく処理することができます。
この機能は同日・同金額で計上されている仕訳を抽出してくれる機能になっております。
最後は「現場が使ってくれない」というケースです。
「導入主体」側と「利用主体」側で求める理想が異なる場合、こういったご相談を受けます。
経営者はもっとリアルタイムに数字を把握したいと考え、
経理スタッフはもっと楽に毎月の記帳作業を終わらせたい、といった例がわかりやすいでしょうか。
(現場の営業担当がこれまで別の請求システムを使っていたが、変更を期にfreee上で請求書の発行をさせようと思ったが定着しないなどもっと複雑性を増すケースもあります)
正直、機能的解決ができないからこそ、この相談が一番が難しいのです。
こういった場合は、改めて冒頭で上げた導入前の業務設計をやり直すこと。
そして、その上で社内の運用フローが変わる背景とその目的の共有。
必要であればインセンティブの構造を社長もしくは職権が上の方がやることをオススメしています。
ポイントは業務の再構築の段階で現場を巻き込まないことです。
なぜかというと、現場から出てくる要求は、自然と今の運用フローと差分が出ないような視点になり
結果個別最適になる場合が多いからです。
つまり、当初の目的がぶれないように、周囲を見渡せる人が全体のフローを考えるべきなのです。
ただ、そうはいっても経営層にfreeeやバックオフィスの知識がないという方もいるでしょう。
もしくはその方々が運用フローを考えることで、日々の業務に支障をきたしてしまっては本末転倒です。
もしそういった専門ポジションの方がいらっしゃれば問題ありません。
が、中小企業の中でそういったポジションを全うできる方は少ないはずです。
そういうときには外部パートナーに頼ることを強くオススメします。
会計は会社の要であることは全ての経営者が認める事実です。
にも関わらず「freeeを導入すれば特になにも考えなくても自動化されてうまくいく」
という中途半端な状態で挫折する企業をたくさん見てきました。
フライクも、代表である大瀧が「会計は会社の要である」ということに重きを置いているからこそ
顧問税理士とタッグを組み、毎月運用についても微調整しております。
もしfreee導入でつまずいてしまっているのであれば、
まずは今回のブログに記した注意点を見直し、一度フローの洗い直しをしてみてはいかがでしょうか。
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いかがでしたでしょうか?
今回のブログが、freeeの導入がうまく進まないと思っている方々の解決の一助になれば幸いです。
私はfreeeは本当に素晴らしいシステムだと思っている反面、
最初の踏み出し方を間違えれば失敗に陥ってしまうことを身にしみて知っております。
システムは導入するだけではなく、運用して目的に沿った使い方ができているか振り返って、
初めて意味があると思っています。
前述したとおり導入・定着には専門的な知識と高い視点から、
推進してくれる人間の存在が必要不可欠だということも分かっていただけたのではないでしょうか。
もし外部にこういった相談ができるパートナーがいないという企業さまは、
ぜひフライクまでお気軽にご相談くださいませ。
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