2021年12月30日、福岡市東区にあるテーマパーク「かしいかえん」が閉園する。
https://www.kashiikaen.com/special2021/
「最後の想い出に」ということで、2021年12月初旬に家族を連れて足を運んでみた。
数十年ぶりのかしいかえん。
写真の通り「昭和の匂い」がして、どこか懐かしい、そして切ない感じがする。
その一方で、「閉園は必然かな」という考えも脳裏をよぎった。
その理由の一つがチケット。
このチケットを購入することにより、私たちはアトラクションに乗るための「権利」を買う。
フリーパスもあるのだが、特別感のあるチケットではないため「チケットを購入する」
という行為に感動がなく、言葉を選ばなければアトラクションに乗るための「ただの紙切れ」のようである。
そして、このような思いも抱いた。
「もし、フライクがかしいかえんのDXを行えれていれば、閉園の前にもっとできることがあったのでは…?」
そこで「かしいかえんが弊社に相談をしていたら」という設定で、これまでの大瀧の社会人経験を経て
弊社が実施している「ビジネスDX」をもとに、かしいかえんを「DXしてみた」。
フライクの倫理観「魅力ある地域や企業を次世代につないでいくこと」を実現するための方法。
どうか、最後までご覧いただきたい。
まず、フライクが実施しているビジネスDXの簡易内容がこちら。
この内容を「かしいかえん」を題材に実施した。
前提として、テーマパークというのは、以下の三種類に分類される。
この中で、「かしいかえん」はBに該当する。また、テーマパークの課題は大きく分けて3つ。
課題①:少子高齢化による市場縮小
かしいかえんがピークであった1985年代前後と現在の2020年前後の人口減と首都圏中心とした人の移動
課題②:テーマパークで働く従業員の確保
学生、若い世代の働き手不足
課題③:限られた設備投資費用
アトラクション新設に対する投資費用の削減
そして、テーマパークのライバルを娯楽全体で捉えると、
ちなみに「かしいかえん」のWikipediaによると、
1985年度の57万人をピークに1986年度の56万8000人と年間入場者数の減少が続き2007年度には24万4000人まで減少し、2000年代の収支は年間約1億円の赤字で推移していた。
このため、てこ入れ策として2008年(平成20年)12月31日から2009年(平成21年)3月6日まで休園して改装工事を実施し、翌7日からシルバニアファミリーの世界観を取り入れた『かしいかえんシルバニアガーデン』として新しくリニューアルオープンした。
2017年3月16日にリニューアルオープンし、400種類10万ポットの花を入れた。観覧車を代替するとともに、3機種の新規遊具を導入、この秋には更にパークゴルフ場も開設。しかしレジャーの多様化や施設の老朽化による維持更新、新型コロナウイルス感染症の流行による利用客の減少に鑑らみ、2021年12月30日をもって閉園する予定。
ピークは奇しくも大瀧が生まれた1985年らしい。
そう思うと、「テーマパーク」にとって髄分とライバル娯楽媒体が増えたのではないだろうか。
そこで、再度「年間集客数が数十万〜1000万未満のテーマパーク」と
「かしいかえん」のターゲット層を考えてみた。
①四人家族の子育て世代
②カップル
③小学生の団体客
この中で狙うべきターゲットは間違いなく「①四人家族の子育て世代」だ。
かしいかえんで多くのお金を使って、リピーターとなり、ロイヤルカスタマーになる可能性が高いからだ。
つまり狙うべきは「リピートさせる仕組み=収益の確保」。
投資を最小限にして、効果を最大にする方法の検討である。
そのため「来園者へのインパクトの残し方」は
「楽しかったね、また来年いこうね」となることではなく、
「楽しかったね。次いつくる?来月にする?年間フリーパス買って帰ろうよ」
を実現することである。
これを実現するためにさらに深堀りし、より具体的にクロスSWOT分析してみた。
もちろん、この内容は深堀りをすると内容は変わっていくのである。
が、重要なのは【ブランド認知】【人の集客】【リピート客を増やす】ことに間違いない。
つまり、想い出だけではなく、「お土産」「思い出すための仕組みづくり」も重要であり、
かしいかえんは顧客体験価値を再定義する必要があったのではないだろうか?
単純に「今」を楽しむだけではなく、自宅に帰ったあとも楽しませるための方法がなかった。
だから「数年に一度」しか来園が見込めない状況を作ってしまったのだ。
フライクが実施しているようなビジネスDX「遊園地・テーマパークにおけるデジタル戦略」のように
もう一歩踏み込んで真剣に考えていれば、閉園を決定する前になにかやれたことはあったのではないだろうか。
「『県外から駆けつけてくれる方もいる。昨年はショーが始まる時間に会場にお客さんが誰もおらず、中止する日もあった。人を呼び込むために、もっと前から何かできなかっただろうかという後悔もあり、複雑な気持ち』と話す。」
「鉄道を維持するための苦渋の決断」 かしいかえん閉園へ(毎日新聞)
実は、フライクは大瀧が育った福岡市東区香椎に本社を2023年8月に構える予定である。
(現在は福岡市中央区天神にバーチャルオフィスとして借りている)
このブログを執筆しているのが2021年12年初旬であるため、約2年後。
私にもっと力があれば、かしいかえんを次の世代に残せたかもしれない。
私たちフライクがもし、今以上の力を備えられたら。
2年後にはかしいかえんの再生プロジェクトに関与できているかもしれない。
では具体的にどのようなことができるだろうか?
早速、フライクで実施している
「顧客を定義」⇒「顧客提供価値」⇒「クロスSWOT分析」⇒「マネタイズプラン」の策定がこちら
①顧客を定義
②顧客提供価値
③クロスSWOT分析
④マネタイズプラン
今回のかしいかえんの件、フライクに声がかからなかったという現実を深く受け止め、
より地元である香椎→福岡→九州の発展に寄与することが、フライクの倫理観である。
魅力のある地域社会を守り、進化させることで大切な「今」を次世代に誇れるカタチで託したい。
そのために、システムを武器に変革し、魅力ある地域や企業を次世代につないでいくことが私たちの倫理観。
大好きなモノ、コトをもっと、ずっと好きになってもらうために「描いた未来、一直線」に前進しよう。
を実現できるよう、もっともっと力をつけようと思った。
私にとって、2021年最大のショッキングな出来事。
当たり前に存在し続けると思った「企業」「文化」「地域社会」を絶やさない。
そんな想いでこのブログを自戒の念と共に記す。
2021年12月30日 さようなら、かしいかえん。株式会社フライク 代表取締役 大瀧 龍
福岡市東区の香椎で育った私は、幼稚園、小学校、中学校の歓迎遠足はずっとかしいかえんだった。
大瀧2歳のころ、かしいかえんにて。
高校はお隣の香住丘高校に進学。
毎日自転車で通学しながら、かしいかえんを見ていた。
私にとって幼い頃からの想い出がたくさん詰まった場所「かしいかえん」。
こんな風に別れが来るとは思っていなかったが、今回の「勝手にDX」で
少しだけ想い出とともに心の中も整理されたような気がする。
そして、来年も、その先の未来も。
私やフライクに「できること」をやっていこう。と思ったのであった。
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